自覚のない「判断ミス」と「憧れの職業」

憧れの職業

 

あなたは認知バイアスという言葉を知っていますか?
心理学用語なので知らない方の方が多いと思いますし、
知らなくても困る類の言葉でもありません。

 

認知バイアスとは、人間なら誰にでもある「思考の偏り」の総称です。
人間は、事実と違うことでさえ、思い込みをします。
この「思い込み」や「勘違い」には万人に共通するある傾向があります。
その傾向を「科学的な研究」によって導き出したものを
心理学では「認知バイアス」と呼ぶのです。

 

知っていたからといってすぐに歯科医院経営がよくなることはありませんが
あなた自身が何らかの『間違いをする可能性』について知っておくことは
経営上の大きな失敗や判断ミスをしてしまうリスクを下げてくれます。

 

こんにちは、株式会社120パーセント代表、
集患、自費率向上、予防歯科の確立をブランディングで実現する、
ブランド歯科医院構築・経営コンサルタント、
歯科医師の 近  義武 です。

 

※ 以下の文章は2014年当時に書き下ろしたものですが、
内容の一部を再構成して更新したものとなります。
引用した記事も当時のものですがそちらは当時のままに再掲しています。

 

「認知バイアス」は200ほど発表されており、
今後も増えていく(発見されていく)ものです。

 

代表的なものや生じやすいもののいくつかを知っておくだけで
転ばぬ先の杖となります。
ちょうど、我々歯科医師には馴染み深い「予防歯科」のようなものです。

 

重要度は高いものの緊急性がないので軽視されがちですが、
アプローチによって重要で緊急性の高いような
非常事態の発生を抑えてくれる効果があります。

 

今回は「認知バイアス」が各所に散りばめられた
大変香ばしい記事を見つけましたので
これを題材にしつつ「認知バイアス」のいくつかを紹介します。

 

稚拙な矯正を別の歯医者が指摘、治療費全額返還の要求は可能か

 

進学や就職など、多くの人が新しい世界に飛び込むこの季節、
最近ではそういったタイミングに合わせて歯の矯正や
ホワイトニングなどを行う人も少なくないが、
時にそうした努力が悲劇を招くケースもある。

 

別の歯医者が矯正の稚拙さを指摘したような場合、
治療費の全額返還は可能なのだろうか? 
弁護士の竹下正己氏はこう回答している。

 

【質問】

娘の悩みです。2年前から歯科医院で歯の矯正をしています。
先日、(娘が)急に歯痛になり、別の歯医者に診てもらったところ、
「矯正の治療がヒドい、これでは歯はよくならない」と指摘されました。

 

その歯科医院には月に一度通院し、100万円以上の治療費を支払っています。
矯正治療をした歯科医院に治療費の全額返還を要求できますか。

 

【回答】

お嬢さんが受けているのは歯の病気の治療ではなく、
矯正であり審美的な効果を狙ったもので、
美容整形などと同様に、果たして治療といえるか疑問です。

 

医療ミスが問題になるケースでも、通常の診療行為に比べて
医師の注意義務は軽くなることが多いようです。

 

さらに、お嬢さんの場合、以前より悪くなったというのではなく、
期待した効果が上がらないという状態です。

 

しかし、当該歯科医は、お嬢さんの依頼を受け、
歯の矯正の目的で診療契約を締結したのですから、
契約の目的に沿った治療を誠実に行なう義務があります。

 

他医のいうとおり効果が上がらない治療法であるとすれば、
この診療契約違反になります。
そこで契約を解除して、治療費の返金を求めることは可能です。

 

また、現在の治療法に効果がないことが
歯科医であればわかるはずといえる場合、
効果があるとお嬢さんをだまして、効果が上がらない治療法を
2年継続し高額の報酬を取っていたことになり、不法行為として、
これまで支払った医療費を損害として賠償請求できます。

 

まずは、権威のある歯科医師による治療法の評価が必要です。
大きな効果は期待できないが、徐々に改善していく場合には、
当然に診療契約の違反や詐欺とはいえません。

 

とはいえ、治療効果の説明があれば、
効果が乏しいことがわかって治療を受けなかったといえる場合には、
医師の説明義務違反になり、
治療費を損害賠償請求できる可能性もあります。

 

過失相殺となることも予想されますが、
診療契約には消費者契約法の適用があります。

 

治療による審美効果に事実と反する誇大説明があって、
お嬢さんがその旨、誤認した場合には、
同法により診療契約を取り消して報酬の返還も期待できます。
消費者センターなどへの相談も有効です。

 

NEWSポストセブン 2014.4.20日配信

 

何と言いますか、登場人物が全員ダメです。

 

母親:一般診療の歯科医師の話しを真に受け過ぎ(自己奉仕バイアス)
娘:(全く情報がないので判断不能)=記者の取材不足
矯正歯科医師:技術不足または説明不足の可能性は否定できない
一般診療の歯科医師:矜持不足、自信過剰(外部誘因バイアス)
弁護士:医療に対する勉強不足(専門偏向・専門バイアス)
記者F:矯正歯科医師が悪いと思い込み過ぎ(確証バイアス)
出版社:勧善懲悪の姿勢のとりすぎ(観察者期待効果)

 

そして誰が一番悪いか、といえば、
そもそもこんな話題を一般人にニュースとして流される
歯科業界が一番悪いと言えます。

 

では、ここに登場した認知バイアスをまとめて見てみましょう。

 

自己奉仕バイアス

失敗や都合の悪いことは外的要因のせいにしがちになる。
ちなみに、成功は内的要因=自分のおかげと考えやすい。

 

外部誘因バイアス

他人が行動する動機は、金銭や名声のためと考え、
自分が行動する動機は、スキルアップや人のためと考える。

 

専門偏向・専門バイアス

自分の得意な分野の視点でのみ観察し、他の視点では見ない傾向。

 

確証バイアス

仮説や信念を検証する際にそれを支持する情報ばかりを集め、
反証する情報を無視または集めようとしない傾向。

 

観察者期待効果

観察者が期待する効果を観察する観点で解析し、
無意識のうちにデータを誤って解釈する傾向。

 

この様な偏向が集まってしまったせいで
我々歯科医師にとって非常にモヤモヤする記事が
出来上がっているということなのです。

 

近年の歯科医師のイメージがどうにも良くありません。
「ワーキングプア」「不当に儲けている」「将来を期待できない」
などなど、憧れを持つ様な要素がどこにもありません。

 

引用した記事にしても、凋落したかつての「憧れの職業」を
貶めることで高揚感を得る読者がいるからこそ
そんな読者に向けて気軽に編集されているのです。

 

長く続いたままの不況と、先の見えない日本経済の状況は
職業選択における理系志望率のアップとなって
現れている事実があります。

 

「腕に職をつければ生きていける」=理系志望であり、
その最たるものが進路を「医師」とする学生の増加傾向です。

 

逆に歯科医師志望は減少傾向が続いており
歯科大学の収支倍率は平均で1.2程度、
定員割れの大学の話も耳にします。

 

この状況は明らかに歯科医師の
職業としてのイメージの悪さを物語っています。

 

本来であれば医師と同等の人気であってもおかしくないはずなのに
こんな穴だらけで偏向的な記事を書かれてしまっている…
そこが一番の問題だと捉えています。

 

歯科医師のイメージを上げる方法はたくさんあります。
それこそ、歯科医師会がスポンサーになって
歯科医師を主人公にしてジャニーズのタレントに
格好良く演じさせるTVドラマでも作れば一発でしょう。

 

しかしながら「歯科医師のイメージアップ」に戦略的な価値を
見出す事ができないのが歯科業界の体質ですから
実際にそんなドラマが放送される期待はほとんどできません。

 

そういう期待ができないなら、あなたが真っ当に稼いで、
経済的に成功して、幸せで豊かになって下さい。

 

心あるあなたなら、余裕の資金を患者やスタッフに
いろいろな方法で還元するはずです。

 

私はあなたに稼いでほしいと、そう思っています。
そして、「歯科医師」という素晴らしい職業を
憧れの職業にする一翼を担ってほしいのです。

 

認知バイアスの話からやや離れてしまいましたが、
それでも『自分も含めて、ヒトの判断や行動には
心理的傾向・バイアスが常に作用している』と認識することは
失敗を回避して幸せで豊かな歯科医師になるための
強い味方になってくれることは間違いありません。

 

認知バイアスは、誰にでもある脳のクセです。
ヒトは、思考の偏りを防ぐことができません。
もちろん、私もそのような認知バイアスを持っています。

 

バイアスを知ることは「不要な批判」「衝突」「判断ミス」を
してしまう前のお守りの様なものです。防ぐというメリットがあります。
他人にも自分にも寛容な気持ちになれます。

 

ヘェ〜と思う様な認知バイアスもたくさんあります。
マーケティングやセールスに応用できるものもあります。
興味を持って学んでみても損のないツールとなりますので
あなたの歯科医院経営に活かしてみてはいかがでしょうか。

 

ちなみに、尊敬される歯科医師、憧れの歯科医師が増えれば、
そのプロデュースを手がけている私も
自然と尊敬されるようになるということは内緒の方向で(笑)

…………………………………………………………………………

考えてみましょう

さて、それでは恒例のシンキングタイムです。

 

あなたが院長であるなら、
ボーナス時期や昇級時期の前にスタッフの査定を行うはずです。

 

スタッフの正当な評価と正当報酬は
スタッフの教育の効果や定着率を左右する大きな要素です。

 

そんなところにも認知バイアスは働いてしまう事があります。
どの様な「脳のクセ」が発揮されやすいのでしょうか。

 

 

 

せっかくここまで読んだあなたなら
ぜひとも、考えてみてください!
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(ここは考える時間です)
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それでは答えです。

 

 

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