Last Updated on 2020.7.16 by 近 義武
現在、我々歯科医師は、非常に厳しい状況におかれています。
歯科医師および歯科医院の過剰…、歯科医院の倒産…、
稼げないワーキングプア…、3K職種認定…、
社会的地位の極端な低下…、保険制度の矛盾…
現状は確かに厳しいです。
しかし、こんなことを言う方も一部にはいます。
『近い将来、歯科医師不足になる』
『それまでがんばれば、イイことづくめになる』
本当でしょうか?
こんにちは、株式会社120パーセント代表、
集患、自費率向上、予防歯科の確立をブランディングで実現する、
ブランド歯科医院構築・経営コンサルタント、
歯科医師の 近 義武 です。
将来のコトを正確に予言することなど誰にもできません。
しかし、自分なりの予測を立てて、その事態に備えることはできます。
少なくとも私はこう考えています。
『歯科医師は絶対数としては不足する』
『でも仕事に見合った報酬を得られるのはごく一部』
まぁ、にわかには信じられないでしょうが、
30年前も現在の惨状を想定していた人はいなかったわけです。
信じられなくても、可能性として知っていて損はありません。
歯科医師が不足するのに楽にならない?
私の私見ということで聞いていただきたい話です。
まず、歯科医師不足が表面化するのは15~20年後でしょう。
そう予測する理由をいくつかあげます。
歯科医師の絶対数が不足する5つの理由
1 現在、実働している歯科医師の最大ボリュームは50〜60歳であり、
この世代の多くが15〜20年後には引退する。
2 国は歯科医師過剰を是正するために
国家試験の合格率を抑えて、新卒歯科医数を減らしている。
(現在は合格率65%前後からそれ以下)
3 不人気歯科大学は入学生徒数の定員割れが続いており、
閉鎖、合併などを経て最終的には
歯学部入学定員減少が実現する運びに…。
4 現在、歯学部学生のほぼ半数が女性で、さらに増加傾向にある。
女性歯科医師の実働率は、卒後10年で3~4割程度。
女性のライフサイクル等も考え合わせると
女性歯科医師の実働率が 急上昇するとは想定しにくい。
5 歯科医院経営のリスクの高さと初期投資の大きさ、
成功してもスケールに限界を感じるなど不人気要因の解消が期待できない
これだけの材料を並べてみると、歯科医師数が減少に転じていきそうで
なんとなく歯科医院の経営は楽になりそうに感じます。
しかし残念ながら私はそう楽観的には考えてはいません。
むしろもっと苦しくなるところが増えると考えています。
そちらの理由はこれです。
歯科医院経営が楽にならない5つの理由
1 15〜20年後には日本の人口は現在から
15%程度減少をシンクタンク等が予測している。
2 日本の国家財政は急激な好転を見込むことができず、
保険制度の財源・予算は緊縮傾向を余儀無くされる可能性が高い。
3 実際に開業した歯科医師のライフプランは、
平均開業年齢の上昇、景気の低迷、競争の激化などにより
資産形成がなかなか思うように進まないために、
現役歯科医師を引退する年齢も上昇傾向にある。
4 老齢人口が加速度的に増加するため、
訪問診療、有病者診療の増大に伴って仕事量や必要な知識量も増大し。
高リスク、低効率の診療が増大が予想される。
5 都市部への人口集中と地方の過疎化は
問題視されてからも改善されないまま経過しており、
これからも持続することが予測される。
つまり、歯科医院数が減少して仕事の量は増えるものの
割の合わない仕事やリスクの高い仕事の増加が予測されるのです。
これらの理由から、働きに見合った報酬が取れる歯科医師は限られ、
多くの歯科医師は仕事に忙殺され、神経をすり減らしても
報われることが少ないような状況を想定しています。
ニーズは確かに増加するはずです。
地方の歯科医院・歯科医師不足は現在でも漏れ伝わって来ています。
逆に都市部ではこれまで以上に二極化が進むことでしょう。
戦略を持たない歯科医師、あるいは戦略を間違った歯科医師は
実りのある歯科医師人生からはかえって遠のくかも…
こんなことにならないといいけれど…
状況は相当厳しいように思います。
考えてみましょう
さて、それでは恒例のシンキングタイムです。
私は本文のような未来予測を立てています。
当然、そうなっても通用するような戦略も立ててあります。
予測通りになったとすると、
歯科医師としてのスタンスや方向性によって
取るべき戦略も大きく変わるであろうこともわかっています。
現在でもよく聞く、ある資質・素養を
持ち合わせているかどうかがその分かれ目なのですが、
それはどんなことでしょうか?
全く持ち合わせていないという歯科医師はいないはず。
もちろんあなたも持ち合わせていることです。
そのある「資質・素養」とはどんなことでしょう。
せっかくここまで読んだあなたなら
ぜひとも、考えてみてください!
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(ここは考える時間です)
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それでは答えです。