患者の信頼度を急上昇させるシンプルな方法(後編)

20150324前回は“近”の矯正治療体験についての話をしました。

知識・技術の学習・研鑽、患者としての実体験、

加療者としての対処・対応を全て併行して体感したことで

歯科医師としても大きな変化を感じました。

 

 

最も大きな変化は

『患者の“近”に対する信頼度が上がったこと』

 

 

矯正の治療についても、それ以外の治療についても、

患者の態度や反応が目に見えて良くなったのです。

今回はその具体的なことをお話ししましょう。

 

 

『予言』?!

 

 

“近”自身の何が変わったのかを冷静に分析した結果、

すこぶるシンプルなことでした。

 

 

それは患者に『予言』をすること。

 

 

簡単過ぎて拍子抜けしている方もいれば

突拍子もなくて疑問だらけの方もおいででしょう。

でも『予言』するようになってから

患者の“近”に対する信頼度はまさにうなぎ上りです。

 

 

“近”の矯正治療を例にしてみましょう。

実際に矯正治療を受けてみて実感したことは

「結構痛いものなんだ」ということです。

特にレベリングのワイヤーを入れた時は

初めてということもあり、痛かった印象が強いです。

 

 

また食事に関しては、歯牙の移動がダイナミックな、

治療の前半ほど痛みがあって摂りづらいのですが、

毎月の治療後には毎回痛みを実感させられます。

 

 

上下の歯牙を噛み合わせると痛みが強いのです。

強く噛むと痛いのは全歯がそうなので、

固いものも弾力のあるものも噛めずに丸呑みに近くなります。

しかし、コトはそれだけでは済まないのです。

 

 

食事、咀嚼に際して、前歯部なら上下1歯対1歯、

臼歯部なら1歯対2歯でおおよそ咬合するとして、

その上下の2〜3本のユニットのどれか1本でも痛みがあると

その咬合ユニットは痛くてほぼ使用不能になるのです。

 

 

ここは上が痛い、こっちは下が痛い…

結局なんとか痛みが少なく、咀嚼に耐えられるのは

口腔内全体の1〜2カ所しかない状態になります。

 

 

食事の楽しみなど全くありません。

むしろ苦痛で時間もかかります。

矯正をしてやせる人が多いのも納得できます。

 

 

と、今述べたような「こんなことが起こる」という話を

やや大げさに「予言」するのです。

痛みや腫れ、感触など患者にも起きたとわかることを

具体的に細かく描写してあげるのです。

 

 

あなたの「予言」が的中すれば「信頼度」は上がります。

「予言」ほど痛みが出なかったとしてもあなたの「腕」が

良かった形にできますから、やはり「信頼度」は上がります。

 

 

「予言」は歯科の専門家である我々にとっては

当たり前と思える『術後の反応』になるわけですが、

患者にとっては「予言」そのもの、緻密な計算の結果です。

 

 

矯正治療に限らず、どんな治療後でも『術後の反応』は

必ず存在するのですから、それを「予言」として

患者に話しておくだけで『信頼度』を上げることができるのです。

 

 

逆に全く『術後の反応』のコトを語らなければ、

「麻酔が切れたら痛くなった」「治療したら腫れた」

などのような問い合わせやクレームに繋がりかねません。

 

 

どうせしなければならない説明であるなら、

当たるか否かに係わらず「信頼度」が上がる

『予言』の形にして患者に提供するのです。

 

そこに費やす一工夫が「あなた」の価値を上げていくのです。

 


 

さて、それでは恒例のシンキングタイムです。

 

この「予言」については応用も広範囲にできます。

あなたが現在、無意識に行なっていることもあります。

 

 

例えば、自覚症状のない根尖病巣を発見したとしましょう。

あなたが治療の必要性を患者に説明する際には

「このまま放置したらどうなるか」も話しているはずです。

 

 

これが「患者自身が起きたとわかること」になっていれば

それは「予言」です。起こればその患者はそれを言い当てた

あなたの医院に来院する可能性が高くなります。

 

 

「痛む」「腫れる」もそうですが、「打診痛」「咬合痛」「fistel」

など小さな変化のことも「予言」すると、

その時に治療に至らなかったとしても

「前振り」としての効果が期待できるということになります。

 

 

逆に「治療をしたらこんなに良いことがある」という形で

患者に話すこともあるでしょう。

この場合には「術後の反応」よりも長いスパンの

「快適な未来」「明るい将来」を話すコトが多くなります。

 

 

その時のポイントはたった2つです。

1つは「大げさに語らない」ことです。

 

 

「術後の反応」のように患者にとってツラいことは

大げさに伝える方が良いのですが、

患者にとってのメリットは大げさになりすぎてはいけません。

 

 

患者の期待値が大きすぎると、標準的な結果に対しても

クレーム対象になりかねないからです。

 

 

そしてもう1つ、ポイントがあります。

1つ目のポイントとも絡んでくるそのポイントとは

どんなことでしょうか?

 

 

 

せっかくここまで読んだあなたにはぜひとも、

いろいろと、考えてみてほしいなぁ・・・と思っています。

(ここは考える時間です)

 

それでは答えです。

 

 

 

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考えてみましたか?

 

本日はこれにて終了です。

 

でもお別れの前に・・・

 

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おなじ歯科医師同士、苦労が他人事と思えない分だけ、

報われる日が1日でも早く訪れてほしいと

心から思うわけです。

 

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以上、参考になったでしょうか。

 

これまでにも、日常の中から歯科医院経営のヒントを掘り出しています。

「気付き」にまとめておりますので、読み流すと楽しいかもしれません。

 

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ありがとうございました。

 

 

近  義武

 


 

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