医療機器・設備の導入への資金調達 ⑥
最近は見知らぬ場所に出かけることのハードルが
以前に比べてずいぶん下がった気がしています。
おおよその場所と名称さえわかれば
検索、地図アプリ、路線図アプリ、ナビアプリ等を使って
迷うことなく行き着くことができます。
経路にしても選択肢を示してくれますから
目的に応じて選ぶだけの簡単さです。
これも情報化社会の一端と言えばそれまでですが、
それを特に意識せずに活用しているのが
素晴らしくかつ怖いところです。
素晴らしいのは判断の直前までの情報を
ほぼ瞬時に提示してくれることです。
怖いのはこの便利さに依存すると
提示されるメジャーな選択肢によって
判断をコントロールされる可能性です。
とは言え、
全ての出来事に事情通になるのは不可能です。
提示された情報からできる限り正解に近い判断が
高確率でできるように研鑽を続けるしかありません。
研鑽としては情報の分析力の向上や
判断の基準の明確化などがありますが
特に重要となるのが「大局観」です。
全体像を把握する力、傾向や推移を読む力
ざっくり理解する力などのことですね。
「木をみて森を見ない」にならないってこと。
今回話している
医療機器・設備の導入の際の資金調達についても
同様のことがいえます。
資金調達の大局観
細かい数字ももちろん大事ですが、
大局的な部分が重要です。
情報を集めて整理することは専門家に任せて
あなたはあなたにしかできない「判断」に
力を注ぐべきです。
そういう意味でも今回の話の中では
細かいテクニカルな話は出していません。
判断の目安や基準になるような
考え方を中心にしています。
それでも、資金調達の方法の
それぞれの特色・性質は理解しておいて
損のないところです。
医療機器・設備の導入の際の資金調達の主な方法
- 1、純然たる自己資金
- 2、借入金利用による購入
- 3、リース利用
このうち借入金利用の特徴について話していきましょう。
機器・設備を購入して自己所有する点では
借入金利用は自己資金利用と同じカテゴリーになります。
しかし、『借りる』という点では
借入金利用では「現金を借りる」
リース利用では「機器・設備を借りる」
ということで、リースと同じカテゴリーになります。
さらに『税制』が絡むので一見複雑そうですが、
細かいところは専門家に任せて
我々は特徴をそこそこ理解して
その時々の状況やニーズに則した方法で
資金調達を行なえば十分です。
資金調達を借入金利用で行うメリット
・既存の自己資金を残したまま機器・設備の導入ができる
・まとまった金額の現金を用意しなくて済む
・金融機関との信頼関係構築が可能
・利息分は経費計上できる
・減価償却の節税効果がある
・返済方法(元利均等・元金均等)と償却方法(定額・定率)の
組み合わせで節税効果の調整が可能
・特別償却や税額控除など減税制度が活用できる場合がある
・返済期間の長期化が可能
・元金据え置きを利用できる場合がある。
・総支払額がリースに比べて少なくなることが多い
・団体信用保険が使える場合がある
資金調達を借入金利用で行うデメリット
・金利負担がある
・保証料などが必要な場合がある
・担保、保証人などが必要な場合がある
・金融機関に資金計画などの提出が必要
・金融機関に定期的な情報開示を求められることがある
・金融機関から経営指導などが行なわれることがある
・融資決定に時間がかかる
・使途を限定されることがある
・金融機関の方針によって施策が変わる
・担保物件の売却・取り崩しなどができない
・税務処理が必要
・購入物件に対する保険料等が発生する
金融機関との関係性次第ということはあります。
融資担当者に「これなら融資してもイイな」と
思わせられるか勝負です。
融資をする理由を担当者が彼の上司に尋ねられた時に
上司を納得させられるような材料がつまった書類を
作成する必要があるということです。
そのためにも客観性のありそうな資料や
実現性が高そうな経営推移予測などを添えて
金融機関に申し込んで下さい。
ただし明からさまなウソは御法度です。
金融機関もある意味お役所仕事的(官僚的?)です。
信用さえつけばくり返しに融資にも応じてくれます。
条件の優遇や有利な制度融資の紹介もしてくれます。
上手に利用して下さい。
さて、それでは恒例のシンキングタイムです。
資金調達の方法は選択肢を3つ示しました。
しかし、自己資金が無いので実質2択という方も
かなり多いのが実状です。
自己資金は自然に貯まるものではありません。
貯める意志がなければ貯まりません。
しかし意思だけでも貯まりはしません。
自己資金を貯めるためには意思以外にも
工夫というかコツがあります。
さて、それはどんなコツでしょう?
知ってはいても、やらない方がそれなりにいます。
やろうと思えばすぐにでも始められることです。
いかがでしょうか?
せっかくここまで読んだあなたにはぜひとも、
いろいろと、考えてみてほしいなぁ・・・と思っています。
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(ここは考える時間です)
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それでは答えです。
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