歯科医院の「安定と成長」を同時に手に入れる方法②
人から言われると
「そんなことはわかっている」
「改めて指摘しなくて結構!」
「何度も聞いてしっかり理解しているよ!」
と、言いたくなるようなことってありますよね。
歯科医院経営においてもそれはあります。
そのような事柄の中で代表的なものの1つが
「長期的な展望や目標を持つこと」であり
かしこまった言い方をするなら
「長期経営計画の立案とその実行」ということになります。
なぜそうなってしまっているのかも単純な理由からです。
頭では「やらなければ!」とわかっているのに、
現実には、すぐにでもやらなければならないことが
次から次へと目の前に現われてしまうからです。
『今月を乗り切って、次のレセプトを出したら取り組もう…』
そう決心したはずなのに、いつまでも手をつけられない…
だからこそ、人に言われるとつい声を荒げてしまうわけです。
こんにちは、株式会社120パーセント代表、
歯科医院、クリニックの集患・経営コンサルタント、
歯科医師の 近 義武 です。
たしかに現実問題として、
まずは当面のことが重要になるのはわかります。
スタッフへの給与や賞与の遅滞のない支払い…
技工所や歯科材料店への支払い…
家賃や税金の支払い…
借入金や住宅ローンの返済の消化…
生活費や子供の教育資金の確保…
旅行などの遊興費の用意…
毎月、毎月支払いは発生し続けます。
滞りなくその支払いを実行するためには
手元のそれだけの現金を用意せねばなりません。
現金が必要な以上、目の前の診療に尽力して
医業収益を一定以上にキープしなければいけないわけです。
そうなるとどうしても
長期的な展望のための施策は後回しになってしまいます。
『活気のある元気な医院にしたい…』
『高い技術と優しい雰囲気作りを実現したい…』
『こんな診療がたくさんしたい…』
『こんな歯科医院を作り上げたい…』
あなたも開業時には様々な希望に満ち溢れていたはずです。
では現在のあなたやあなたの医院の状況はいかがでしょう?
それらの思いは現実のものになったでしょうか。
もちろん「まだまだ、道半ば」ということもあるでしょう。
その後の情勢や環境の変化で、
軌道修正を余儀なくされることもあるでしょう。
それでも、何らかの目指すものが今もきちんとあって、
それに向かって具体的な行動をとれているなら
特に何も問題はありません。
冒頭での話のように
「長期経営計画の立案とその実行」を指摘されて
『言われなくてもわかっているよ!』とはなりようもありません。
しかし、
『日常の臨床が手いっぱいで、目標は特に無いかも…』
『やりたい事はあるけれど、行動までできてないなぁ…』
という状況なら、ブレイクスルーを考えはいかがでしょう。
ストック型モデルを装備した歯科医院へ
歯科医院経営の難しさが実はここにあります。
安定的に医業収益を上げて当面のキャッシュフローを充足しつつ
長期的な展望のための施策の検討・実行を行わねばならない…
これらの全く性質の異なる2つのことを
同時に両立させないとならない事がその難しさなのです。
この問題の解決策をみつけることができない院長は
停滞感を抱えたまま疲弊していきます。
以前のように、好景気と需要と供給需給のアンバランスのおかげで
経営について何も考えなくてもよかった時代には
こんな問題は表面化しませんでした。
しかし、現在の歯科医院経営を取り巻く状況は
経営者としての成長、さらには歯科医院としての成長と
経営上の安定的な収益の両方がなければ
いずれはジリ貧となって、経営危機や倒産もありうるのです。
前回、ビジネスには「ストック型」と「フロー型」がある、
という話をしたことを憶えておいででしょうか。
この問題の解決策として、ブレイクスルーの打ち手として
オススメしたい方法こそ『ストック型モデル』の導入なのです。
ストック型モデルだけがこの問題の解決策だとは言いません。
しかし、「歯科医院経営に最も適している解決策の1つ」であり
「最大級に強力な解決策の1つ」であることは間違いありません。
『ストック型モデル』を歯科医院経営に導入すれば、
「安定的な医業収益を上げる」ことと
「長期的な施策を立案・実行し、成長する」ことという
『相反するもの』を同時並行で実現することが可能となります。
これまでの歯科医院経営は、いわば「フロー型モデル」です。
フロー型モデルは、定期的ではなく
『その時々で契約をして収入を得る』ビジネススタイルです。
この、患者の訴える問題に対処・治療をするフロー型モデルは
「患者が大量に来院し続ける」という条件さえ満たせば
開業後の早い段階で利益を得やすく、その持続も容易なモデルです。
「治療が終了したら半年後の検診を勧めて終了」という
これまで多くの歯科医院で行われていたフロー型モデルは
不景気、歯科医院の増加による需給関係の悪化、人口減少などにより
もはや限界に来ています。
患者の主訴に治療だけでは十分な利益が得られなくなった歯科医院が
「自覚症状のない患者」「潜在的な患者」の掘り起こしに取り組んで
新規患者を獲得しようとするのは「フロー型モデル」のままで
なんとか経営を改善しようとしてのことなのです。
だからこそ『ストック型モデル』なのです。
他業種で言えば、携帯電話のキャリア、スポーツジムやスクール、
新聞雑誌の定期購読、税理士や弁護士、社労士などのビジネスモデルが
「定期収入が得られる」ストック型モデルになります。
歯科医院で導入可能な『ストック型モデル』には
様々なパターンが存在します。
歯科医院の院長であるあなたにも馴染み深く、最もポピュラーなものが
『予防歯科』『メンテナンス』になるでしょう。
ただし、ビジネスモデルとして成立するように
随所でのバランス調整やオペレーションの整備が不可欠です。
『ストック型モデル』は長期運用が鉄則ですから
僅かなほころびも、いずれ大きな問題となりやすいのです。
この点をクリアしてビジネスモデルとして成立させることで
「安定した定期収入」があなたにもたらされることになります。
歯科医院におけるストック型モデルは患者にもメリットがあります。
「顕在化していない問題の発見ならびにその解決」
「環境を改善して問題そのものの発生を未然に防ぐ」
「口腔内の良好な状態を長期にわたってキープする」
などが患者の得られる主なメリットです。
これらのメリットは
「現在は存在していない問題」を対象としているため
患者に理解されにくいところがあります。
一般的に『ストック型モデル』が『フロー型モデル』に比べて
運用開始の早い段階で大きな利益を確保しにくいのは
「現在は存在していない問題」を対象とすることが多いからです。
歯科医院においては、『フロー型モデル』に相当する
「主訴や自覚症状のない疾患」の治療終了後に
いかにして患者を『ストック型モデル』に移行させるかが
大きなポイントとなります。
このポイントを乗り越えて、離脱・脱落を防ぐ工夫をして
「ストック型」で定着する患者が増えていくと
医業収益が予見できるようになり安定するのです。
「ストック型」で収益が安定すれば、「フロー型」の患者獲得に
多大な労力を割かなくても済むようになりますから、
『成長のための長期経営計画の立案とその実行』に
結果として取り組めることになるわけです。
次回はより具体的な「ストック型モデル」の導入・構築や
その注意点などを話していきます。
(続く…)
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考えてみましょう
さて、それでは恒例のシンキングタイムです。
「その時その時で安定した売上を上げること」と
「成長のための長期的な施策を立案・実行すること」は
どちらも大切なことはいうまでもないことです。
ただしいざ、実行となった時に、大抵の人は
『重要性』が高いか低いかを、無意識のうちに順位をつけて
順位の高いものから実行していきます。
ところが、実際の行動を見てみると、
必ずしも『重要性』の順番に実行をしているのではなく、
場合によっては『重要性』の低い事柄の行動が優先されたりします。
このことが指し示しているのは『重要性』の他にもう1つ、
無意識に使用している判断基準があるということです。
この判断基準が働いている・働きそうだと意識すると
『重要性』の低い、無駄な行動を減らして
行動の質を高めることができます。
この無意識に使用している判断基準とはどんなものでしょうか。
せっかくここまで読んだあなたなら
ぜひとも、考えてみてください!
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(ここは考える時間です)
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