患者にあなたから渡す「来院理由」を用意しよう ①
『あなたの歯科医院と他の歯科医院の違いはなんですか?』
『あなたの歯科医院の差別化ポイントはどこですか?』
『あなたの歯科医院に“ウリ”となるものはありますか?』
これらの質問はすべえ同じ答えを求めています。
即答できないようなら、あなたはそもそも準備不足です。
あなたに答えられないなら、患者に答えられるはずもありません。
こんにちは、株式会社120パーセント代表、
小さな歯科医院、クリニックの集患コンサルタント、
歯科医師の 近 義武 です。
あなたの歯科医院に現在通院してくれている患者の
一番最初の来院の理由はなんなのでしょう…?
なぜ他の歯科医院ではなく、あなたの歯科医院を選んで
来院してくれたのでしょうか…?
あなたの技術や腕に期待してでしょうか?
もしそうなら、歯科医療の専門家でもない患者にも
わかるような腕の違いというのはどんなものでしょうか…?
院内が清潔だから…?
それなら、もっとキレイな歯科医院ができたら
患者はみんないなくなりますね…。
親切なスタッフがいるから…?
ではそのスタッフがあなたの歯科医院を辞めたとたんに
患者も通院をやめてしまうのでしょうか…?
今、挙げたような理由も、
一番最初の来院の理由としてあるのかもしれません。
しかしこれらの理由は、基本的には全て
来院してみて初めてわかる・感じる「通院する理由です。
あなたの歯科医院に患者が初めて来院する理由
それなら、「一番最初の来院の理由」は何なのでしょうか?
一番最初の来院時には、上記のような理由を患者は持っていません。
歯科医院のホームページを見るなどをするかもしれませんが、
上記のような理由づけで来院を促している歯科医院のページは
それこそいくらでもあります。
上記したような点には、患者にしてみれば大差がないとすれば、
患者があなたの歯科医院に一番最初に来院しているのには
これらとは別の理由が存在するということです。
この「別の理由」には弱い理由と強い理由とがあります。
「強い」「弱い」とは『あなたの』歯科医院である必然性の強さです。
弱い理由の内、最たるものが「ロケーション」です。
ロケーション
「勤務先から近かった」
「自宅から駅に行く途中にあった」
「買い物に行く場所のそばだった」
つまり、その患者の生活圏に
あなたの歯科医院がたまたま密着していただけ、
という理由で患者が来院している、という状況です。
あなたの歯科医院が現住所に存在していることが
「一番最初の来院の理由」になっているパターンです。
ロケーションは開設前には十分に検討すべきことですが、
開設後には、おいそれと変更するわけには行きません。
この事情はどの歯科医院でもほぼ同じになりますから、
ここに創意工夫を加える余地はほとんどありません。
このロケーションが理由の来院患者を増やそうとするのなら
あなたのすることは単純明快です。
あなたに歯科医院の存在を商圏内の患者にアピールするだけ。
小難しくいうなら『認知率のアップ』を図るということになります。
あなたの歯科医院を中心に半径500mでも1kmでも
各戸にポスティングをしたり,交通の要衝でビラ、チラシをまいたり、
圏内にある人が集まる場所(駅、学校、商業施設等)や通りなどに
看板を設置したりすることです。
患者があなたの歯科医院の存在を知らなければ
来院を検討することも、来院の選択肢に含めることもしません。
存在を認知させることで来院の可能性を上げるという施策です。
「知ってもらうこと」それ自体は
他の理由で最初の来院をする患者にとっても必要です。
ですので、施策として無駄になることはありません。
それでもロケーションは「弱い理由」です。
なぜなら、「ロケーション」そのものを改善することが難しいからです。
「ロケーション」の改善を実現するためには『移設』が必須です。
機器は移設先に移動すれば済みますが、設備や内装の多くは
旧医院で廃棄し、新医院では新たに用意しなければなりません。
移設費用や旧医院の後処理などまで含めて
経済的、時間的、精神的、肉体的負担が大きいのです。
移設がそう簡単にできない以上、ロケーションの改善は
ほとんどできないものとして考えなくてはなりません。
もし、あなたの歯科医院の「一番最初の来院の理由」として
ロケーションが上位にあったとするなら、
あなたの歯科医院が患者に選ばれるのは『確率』の問題となります。
『確率』は競合他医院が増えるほどダイレクトに下がっていきます。
ロケーションによって患者を集める傾向が大きい歯科医院ほど
近隣に新規の歯科医院が開設すると、その影響をモロに受けます。
この状況ならびに、来院する患者の量・質に
あなたが満足できないのであれば、
「一番最初の来院の理由」として別の理由が上位になるよう
創意工夫を重ねなくてはならないのです。
利便性
利便性もどちらかといえば「弱い理由」に分類されます。
患者が「自分に便利な歯科医院に通いたい」と思うのは当然のことです。
「患者自身の都合に合っている」が
「一番最初の来院の理由」になっているということになります。
「ロケーション」もある意味では「利便性」の1つです。
ここで話すのは「ロケーション」以外の「利便性」についてです。
具体的には、あなたの歯科医院の診療日,診療時間のコトになります。
「診療日・診療時間」は「ロケーション」同様に
あなたの歯科医院の院長が「あなた」である必然性はありませんが
「ロケーション」とは違って『変更』が可能です。
「夜間・深夜・早朝診療」「休日診療」「年中無休」など
他の歯科医院が診療を行なっていない日時や時間帯に
あなたが診療を行なうことで「一番最初の来院の理由」にできます。
スタッフの確保や身体的・精神的負荷等で、
継続してその診療体制を維持することへの困難性はありますが、
「移設」よりは実行可能な施策といえます。
ただし、これに追随してくる歯科医院が多くなってしまえば
患者にとって「理由」そのものが薄らいでしまいます。
そういう意味ではやはり、この利便性は「弱い理由」なのです。
診療時間の長い歯科医院や、休診日の極端に少ない歯科医院は
『歯科医院のコンビニ化』として一時期話題にもなりました。
患者にとっては「利便性の向上」と喜べますが
歯科医療を提供する我々にはかなりの負担となります。
そこで、複数(主に2人)歯科医師による共同経営によって
歯科医院を運営するというビジネスモデルが登場しています。
診療時間、診療日数を増やすことで
患者数を確保しようとする方向性は間違ってはいません。
身体的・精神的負担を軽減するための共同経営ということです。
しかし、懸念材料もたくさんあります。
開業後数十年に渡って人間関係を維持すること…
指示系統が複数あること…意見が対立した際のルール…
決断スピードの確保…環境変化へのフレキシブルな対応…
それなりに険しい道ではありますが、
メリットも多く、検討してみる価値は十分にあります。
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考えてみましょう
さて、それでは恒例のシンキングタイムです。
現在、歯科医師の開業年齢が平均で40歳前後になっています。
30年ほど前は30歳前後でしたから、
景気の後退局面が続いた結果として
開業年齢が上がってしまったということです。
具体的な理由は3つに集約されます。
1、勤務医の給与の低迷
景気が悪いと勤務医の給与も低迷し、自己資金の用意に年月がかかる
2、開業場所選定の難度の上昇
どこに開業しても簡単に繁盛する状況ではない。
繁盛しそうな場所にはすでに歯科医院が開設されている。
条件がシビアになる分、決断に慎重になる。
あともう1つの具体的な理由とはどんなものでしょうか。
せっかくここまで読んだあなたなら
ぜひとも、考えてみてください!
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(ここは考える時間です)
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それでは答えです。
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