『歯科医院経営でも見た目が9割』の嘘3/3
「見た目」の重要性について話しています。
現在の歯科医院経営においては「見た目」も
重要なパーツの1つだということは
直感的には納得できる話です。
『人は見た目が9割』という書籍が
100万部を越えるベストセラーとなったこともあり
世間的にも認知された認識といえるでしょう。
その書籍の中にも引用され
「見た目」の重要性の科学的根拠とされているのが
『メラビアンの法則』と呼ばれるものです。
ところが、この法則に関しては
ベストセラー書も含めて
間違った解釈がされています。
話す内容以前に見た目が大切…
アイコンタクトやボディランゲージ、
声のトーンや大きさが重要…
などということも
間違った解釈から生まれた見解なのです。
当然『人は見た目が9割』も
「言い過ぎ」ということです。
今回はメラビアンの法則の
真の結論から導かれること、
すなわち
あなたと患者とのコミュニケーションの際に
『伝える力』をアップさせるポイントについて
話していきます。
メラビアンの法則の結論
まず、限定的な状況下で成り立つ法則であることを
理解する必要があります。
その原曲的な状況とはすなわち
〖人は好意や反感が「視覚」「聴覚」「言語」で
矛盾して伝えられたとき、どの情報を信頼するか。〗
そして結果は
「顔の表情やボディランゲージ」55%
「会話のピッチや声のトーン」38%
「会話の内容」7%
導かれる結論は
〖人は好意や反感などの感情を「会話の内容」と
「声のトーン」や「ボディランゲージ」が
矛盾して伝えられたときは、
「声のトーン」や「ボディランゲージ」を信頼する。〗
注意したいことは
好意や反感の伝達に関してであって、
一般的な会話や事実を伝える、要望を伝える、
指示命令をするなどの場合ではないということ。
「人は見た目が9割」といえる根拠は
このメラビアンの法則からは得られません。
では我々歯科医師は「見た目」…もう少し拡げて
「非言語的コミュニケーション」をどのように認識し、
どのように活用するべきなのでしょうか。
『伝える力』のアップ
「見た目が9割」はメラビアンの法則の拡大解釈ですが、
内容だけでなく、話し方や態度にも注意を払うべきである、
ということは間違ってはいません。
9割という数値化はできませんが、
「非言語的コミュニケーション」は「伝える力」に
大きな影響を及ぼしています。
その意味では、「話し方」「身だしなみ」
「ボディランゲージ」「プレゼンの仕方」を学び、
その質を高めることには意義があります。
しかしどんなに
非言語的コミュニケーションが重要とは言え、
内容がチープでは説得力は損なわれます。
そもそも、患者はあなたとの会話で
その質・内容というのを、
意識的・無意識的に吟味しています。
このことを忘れてはいけません。
コミュニケーションの目的は
その内容を余すところなく伝えることです。
内容が薄っぺらい話、クオリティの低い話なら
いくら非言語コミュニーションを強化しても、
患者に伝わりません。
当然、説明している診療に関心を示したり、
それに応じたりはしないはずです。
内容の質を高め、その上で
「非言語的コミュニケーション」を強化していけば、
「伝わる力」はより強力になります。
多くの方が「内容よりも見た目が大事」と聞くと
すべてを投げ出してしまいます。
その方が何かと楽だからです。
しかし実際には
伝える内容の質を向上させ、
さらに「視覚的」「聴覚的」なアプローチにも
十分に気を配るという
当たり前のことを当たり前にすることが重要なのです。
これが1番難しいので、みんなが抜け道を探すのですが、
そんなものはそうそう無いという
これまた当たり前のお話です。
我々歯科医師は診療に関しては
一般の人が驚くほど地道な努力を淡々と続けられます。
しかし、診療以外のこととなると
その偉大さは影を潜めてしまうことが多いようです。
この辺りのことを自覚しておくと
易きに流されることの防波堤となることでしょう。
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考えてみましょう
さて、それでは恒例のシンキングタイムです。
「コミュニケーションの内容」の質を向上させる…
本文中で触れましたが、具体的に取り組みやすい
3つの方向性があります。
1つ目は「視覚的強化」
図や画像、動画などイメージをしやすい材料を
用意すること。
治療後の患者の様子を
映像で思い浮かべさせることが理想です。
2つ目は「聴覚的強化」
内容の論理性や順番、エビデンスなど
矛盾や飛躍などを完全に排除する。
一言でまとめたフレーズやテーマ、
キャッチーな言い回しなどを準備します。
3つ目は…
どんなことを強化すると効果的でしょうか。
せっかくここまで読んだあなたなら
ぜひとも、考えてみてください!
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(ここは考える時間です)
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それでは答えです。
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