経営に活かす患者心理 その28 〜カチッ・サー効果〜
こんにちは、歯科医師で経営アドバイザーの 近 義武 です。
人は何らかの行動を起こす際には
大なり小なり理由を求める傾向があるとされています。
ダイエットを成功させるために
理由を思いつく限り書き出してみたり、
第三者に公表してみたりするというのも
「理由を求める傾向」の現れです。
エレン・ランガーの心理実験
ここにアメリカの心理学者である
エレン・ランガーが行った有名な実験があります。
図書館でコピーを取っている人に対して、
先に使わせてもらうようお願いをします。
その際に、以下の3パータンの頼み方を試しました。
A:「先にコピーを取らせていただけますか」
B:「急いでいるので、
先にコピーを取らせていただけますか」
C:「コピーを取らなければいけないので、
先にコピーを取らせていただけますか」
その結果、ただ単に要求のみを伝えたAの場合では、
承諾率は60%でした。
しかし、「急いでいるから」という理由をつけたBのケースでは、
なんと94%もの人が先にコピーを取らせてくれました。
A:「先にコピーを取らせていただけますか」60%承諾
B:「急いでいるので、
先にコピーを取らせていただけますか」94%承諾
この結果は、「急いでいるので」という正当な理由を、
相手が受け入れてくれたからだと考えるかもしれません。
しかし、理由の中身は重要ではありません。
それを証明しているのが、Cの実験結果です。
C:「コピーを取らなければいけないので、
先にコピーを取らせていただけますか」
実は、依頼内容とは関係性が低い、
こじつけのようなCの理由でも
「93%の人が譲ってくれた」という結果が出たのです。
このことから、理由の正当性に関わらず、
それを付け加えることに意味があることがわかります。
このように人に何かを依頼するときは、
ただ単に行動をお願いするよりも、
理由を付けると承諾されやすくなります。
これを「カチッ・サー効果」といいます。
「カチッ・サー効果」の応用
当然、歯科医院においても
この「カチッ・サー効果」は有効です。
患者に来院を促したり、
自費診療の受諾のきっかけにすることができます。
最も簡単な方法の1つが
記念日を活用して理由付けを促すことです。
記念日の持つ華やかで楽しいイメージは
患者の気分を高め、来院行動・受診行動を
促す効果があります。
記念日マーケティング
記念日マーケティングとは
歯科医院の診療・商品・サービスなどに
記念日を公式に制定し、
それにちなんだマーケティングを行うものです。
記念日というのは
「カチッ・サー効果」の応用として
とても入り込みやすいマーケティングとなっています。
例えば、
ある歯科医院が新しい治療方法を導入したとします。
そのことを広告・宣伝したい場合、
ホームページなどを活用するはずですが、
それだけでは単純な発表でしかありません。
ここに記念日を公式に制定したとすれば、
「○月○日」は「×××の日」と告知する事が出来ます。
従来の発表のみに加えて大きなプラスアルファとなり、
人々の噂にもなりやすくなります。
記念日マーケティングのその他の例としては
「土用の丑の日」「バレンタインデー」「母の日」
などがあげられます。
実は記念日マーケティングは、
日本人の「ハレとケ」という気質に合致しています。
記念日という特別感を
患者の行動のきっかけに結びつけやすいといえます。
ただし、年末年始や節句といった古くからの日本の催事と
ハロウィン、クリスマス、サンクスギビングといった
欧米のメジャーな催事は
他の歯科医院も記念日マーケティングに踏み切りやすく
あなたの医院が埋もれやすいので注意が必要です。
始めて導入するなら、オススメは
あなたが歯科医院の『〇〇周年記念』です。
前述のように他の歯科医院とかぶることも少なく、
さらに「街がクリスマス一色」というような中で
頑張る必要もないからです。
今年の目標の1つとしてトライしてみませんか?
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考えてみましょう
さて、それでは恒例のシンキングタイムです。
確かに始めて導入するなら、オススメは
あなたが歯科医院の『〇〇周年記念』です。
わかりやすいですし、間違いありません。
記念日マーケティングの上級者には
もっとおススメのやり方があります。
それはどんなやり方でしょうか。
せっかくここまで読んだあなたなら
ぜひとも、考えてみてください!
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(ここは考える時間です)
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それでは答えです。
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